出産を経験したことのあるみなさん、パートナーが家事や育児のためにお休みをとるかどうか、妊娠中もしくは産後に2人で話し合いましたか?
改正育児・介護休業法
最近では「男性の育休」を取り上げるニュースを目にすることも増えていますよね。
そして今月3日には「改正育児・介護休業法」が可決されました。
- 男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設
- 育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け
- 育児休業の分割取得
- 育児休業の取得の状況の公表の義務付け
- 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
ほほう…ちょっとこれだけ見てもよく分からないので、厚生労働省のホームページに行ってリーフレットなどを見てきました!
当事者だけではなく社会から変わる
男性がこの期間に、こんな風に育児休業を取得できますよ~ということももちろん大切なのですが、わたしが注目したのは企業に対する取り組み、義務付け。
- 従業員1000人超の企業を対象に、育児休業の取得の状況について公表を義務付ける。
- 労働者又は配偶者が妊娠又は出産した旨等の申出をしたときに、当該労働者に対し新制度及び現行の育児休業制度等を周知するとともに、これらの制度の取得意向を確認するための措置を義務づけ。
- 有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」であることという要件を廃止する。
(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律の概要/令和3年法律第58号、令和3年6月9日公布)
男性の育児休業取得には当事者の意識も大切だけれど、それ以上に企業や上司など、当事者を取り巻く環境が重要だというのは想像に難くないですよね。
それを示すデータも公開されています。
(出典:内閣府委託事業「男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究」 )
妊娠中から出生後2か月以内の休暇について、制度、取組、上司のうち2つ以上がそろっている職場では取得した者の割合が高い。
育休取得率を公開する=外の目を意識して育休の申請を受け入れる、育休取得を推進していくよう、多少圧をかけてでも企業の意識を変えていくことは意味があることだと思います。
押し付け合いではなく支えあう社会に
よく耳にするのが「育休で抜けた人の穴を残った人が埋める」という言葉ですが、そもそも抜けた人の仕事は人員を増やすことでカバーしないといけない問題…もしくは、働いている人が常にフル稼働しないとこなせない仕事量…という環境から変えていかないといけないですよね。
これは男性の育休だけではなく、女性の産休育休にも関係ありますし、介護休暇や傷病休暇も同様。働いている人みんなに関わってくる問題。
女性は出産をしようと思ったら、必ず仕事を休むことになります。
(特に産後8週間は休業を取ることが法律で義務付けられています)
そして0歳で保育園に預けたとしても、お迎えがあるので定時でもきつい、残業なんてもってのほか…という生活に。
(話がズレてくるので、0歳から預けなくても…とか、子どもとの貴重な時間を…とかは、ここでは置いておきましょう)
初めて子どもを授かって…
サービス業をしていたわたしが復職に向けて考えていたことはこんなこと。
- お迎えを考えると絶対に早番の時短勤務になる。
- ということは、わたし以外のメンバーは自然と中番・遅番に。仕事終わりの時間が常に遅い選択肢しかなくなってしまう。
- 早番はほとんどの店舗で1人。子どもの急な病気に対応できるか…できたとしても、店舗のメンバーか担当営業さんに急なお願いをすることになる。
- 参観日、土曜日曜にあるであろうお遊戯会や運動会…休みづらいな。
- 保育園の送り→出勤→保育園のお迎え…これを考えると、勤務可能な店舗は限られるな…どこになるだろう
この頃、夫には「思うように働けなくなる」「やらないといけない仕事があっても、自分1人ではどうにもならない場面が来る」といった不安が1ミリでもあったでしょうか…。
わたしは前職も大好きでした。今でもたまに50代になって店頭に立つのも楽しそう…と想像するくらい。
(顧客層ドンピシャなので、昔とは違う楽しみがありそう)
保育園落選により退職をしましたが、もし、育児をしながら働くことに遠慮を感じなくても良い取り組みや仕組みがあれば、そこでの社会復帰を産後も諦めなかったかもしれません。
サービス業なので少し特殊かもしれませんが、でも、どんな仕事でも妊娠出産育児…に関係なく、なるべくスムーズに働ける社会になってほしいです。
女性が出産することを選んだら、あきらめなければならない仕事がある…何度考えても、それってものすごく悔しいことです。
男性が育児をすることが当たり前になって。
男性も育児をしながら働くことが当たり前になって。
そうなると、自然と女性も育児をしながら働くことがもっとしやすくなると思います。
そして誰でも育児で仕事を休むことがあるということ
誰でもそれぞれの事情で仕事を休むことがあるということ
子どもたちが大人になる頃には、それを支えあえる仕組みができていくことを願ってやみません。
わたしにできることは、まずは地域の女性に、そしてパートナーに問いかけること。そして地域に働きかけることだなと思っています。